松下金物店/戦中・戦後の古い在庫

戦中、戦後の古い在庫も残っていて、時どきその道の趣味人が訪れて倉庫を物色、時代物を掘り出しています。戦争中金物類の供出で(武器弾薬製造のため)鉄不足になり、鉄に代わる「代用品」が出回りました。終戦間近から戦後復興期にかけて粗悪品もありましたが、物資のない時代の人々の工夫が忍ばれます。当時の代用品の幾つかをショーウインドに展示しておりますのでご覧ください。
(紙をプレスした洗面器・木製戸車、陶器の水筒、炭火用アイロンなど)
「水筒」 「ドア-ハンドル」 「火ばさみ」
水筒 ドア-ハンドル 火ばさみ
磁器製です。アルミ(アルマイト加工)不足による代用です。 鉄不足により、握り玉は磁器製の代用品です。 炭火を挟む先端部はセラミックスです。紙紐で反りを止めています。
「柄杓」 「洗面器」「茶托」 「戸車」
柄杓 洗面器・茶托 戸車
供出で金物類が不足ぎみでした。孟宗竹の節の部分を生かしてヒシャクに応用しています。 紙をプレスして造ったものです。<馬糞紙>とか<厚紙>と言っていました。今で言うところの段ボール? 木製です。ガラスの滑りを応用しています。(非売品)
「電熱器」 「付け木」 『アルコールランプ』
電熱器 付け木 アルコールランプ
セラミックスの部分だけです。(二人の間に置いた小さな丸い電熱器に埋め込まれたニクロム線の渦巻きが、赤い色になり、上に載せた薬缶がようやく湯気を上げ始めると、……)
『過ぎていく歌」斎藤史著より
昭和23年
付け木は杉や檜木の薄片の一端に硫黄を塗り付け、火を他の物に移すのに用いました。当時、マッチは次第に軸が細くなり折れやすく、火がつきにくくなっていました。そこで代用の紙の付け木が重宝されました。
『特用付木 五十枚 金参円五拾銭』と印刷されています。
戦時中はもとより、戦後もしばらくは電力事情が悪く、停電は日常茶飯事でした。懐中電灯やロウソクは常備していましたが、アルコールランプもその一つでした。アルコール入れの容器は、当時のインク瓶を利用しています。
『湯たんぽ』 『アイロン』
陶器製湯たんぽ 合金製湯たんぽ アイロン
陶器製は戦前のもの。合金製は戦後のものです。 炭火の熱を利用しています。電気は節電で「ロウソク送電」でした。

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